なぜ西武園通貨は導入されたのか?『西武園ゆうえんち』に仕掛けられた幸せの発生装置

2021年5月19日、埼玉県所沢市の老舗遊園地がリニューアルオープンした。西武HDが所有する「西武園ゆうえんち」だ。

 

かつては年間200万人近くの来場者が訪れ、賑わいを見せていた。この200万人というのは、関東に住んでいる人なら一度は名前を聞いたことのある「サンリオピューロランド」や「よみうりランド」と同等の年間来園者数で、そのかつての盛況ぶりが分かるだろう。

 

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しかし近年は施設老朽化やそれに伴う大幅なアトラクションの撤去により、廃虚とも言える佇まいになっていた。そこで西武HDは「西武園ゆうえんち」のリニューアルを打ち出す。メスを入れるのは、あの「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」をV字回復に導いた立役者、森岡毅率いるマーケティングの精鋭集団「株式会社 刀」だ。

 

リニューアルオープンから数か月が経つ今、複数回訪問した私が見る西武園ゆうえんちの現状、考察、そして未来の予想、妄想をしていこう。

 

「株式会社 刀」それはただのマーケティング集団か?

 

この「西武園ゆうえんち」のリニューアルを話す上でまず欠かせないのは、この会社の素顔なのではないだろうか。

 

結論から言ってしまうと、この刀という企業はマーケティングコンサルタントのための企業ではない。国内大手に負けないだけのテーマパークを運営するための企業だ。

というのも、刀のほとんどの社員が元USJのアトラクションやショーの筆頭クリエイター、またはディズニーやUSJでオペレーション構築経験のある人で構成されているのだ。

 

きっとニュースで、「元USJ森岡さんのいる刀が西武園のリニューアルをやるんだ」と知った人は多いだろうが、その森岡氏率いる刀がほとんど「元USJ社員」で構成されていることを知っている人は少ないのではないだろうか。

私も実際に、いつでも国内二大テーマパークと同じ品質の施設運営ができる人材を揃えていることには驚いた。

 

 これは刀の子会社「ジャパン・エンターテインメント」が、「沖縄テーマパーク(仮称)」の建設に今も全力を注いでいるためだろう。

 

このテーマパークを1000億円弱で建設すると森岡氏自身が既に明言している。その予算は森岡氏がUSJ時代に作っていた沖縄テーマパーク案を上回っており、気合の入ったプロジェクトであることが分かる。

森岡氏が刀を設立した一番の目的は、沖縄テーマパークの建設なのではないだろうか。

 

私がマーケティングコンサルタントのための企業ではないと言ったのはこのためだ。

 

プロフェッショナルが作ったローカルパークの実力は?

 

さて、そのテーマパークにプロフェッショナルな会社がメスを入れた西武園ゆうえんちは実際のところどうなのだろうか。私のレポート、感想を交えつつ紹介したい。

 

まず素晴らしいのは、「ゴジラ・ザ・ライド」だ。大手テーマパークがデカデカと広告をし、満を持して導入してもおかしくないレベルの一級ライドアトラクションであり、デザインや設置位置など拘りは随所に見られる。

 

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驚くべきは、この「ゴジラ・ザ・ライド」が体験できるのが「夕陽館」という映画館をモチーフにした建物なことだ。あくまで昭和の映画館がモチーフなため、ゴジラを想起させるプロップスは一切なく、外観デザインもゴジラのそれではない。これはつまり、現在のコンテンツの集客力がすり減れば、容易にその内容を変更できるということだ。また一日の昼と夜で即座に内容を変えることだってできるはずである。

 

刀は、ローカルパークという投資資金が潤沢ではない場所で、最大限に自分たちの持つクリエイティビティを発揮出来るシステムを構築したのだ。これは見事としか言いようがない。

 

さらに素晴らしいのが、今回のリニューアルの目玉「夕日の丘商店街」だ。これがただの昭和空間の再現であれば、昭和から残っている実際の商店街は未だに各地にあるし、「横浜ラーメン博物館」といった類似施設も多くあり目新しさという点で欠ける。しかし、この「夕日の丘商店街」が本当に提供したいモノは昭和の空間ではない。それはただのパッケージで、本気で届けたいのは熱気や活気、そして「幸せ」という、テーマパークで人が求める根本的な感情だ。

 

森岡氏は日経MJの記事で次のように述べている。

 菓子に例えればキャラクターは包装紙で、大事な中身のお菓子が幸せだ。包装紙で集客しているのではなく、幸せで集客している。

     引用元:西武HD後藤社長×マーケター森岡氏「幸せが人を集める」: 日本経済新聞

 

まさにこの「夕日の丘商店街」というのはその通りの空間なのだ。「昭和」というコンセプトが、たまたま色々な点でメリットがあったから選ばれただけで、「昭和」であることにさほど重要な意味はない。

 

では、その「夕日の丘商店街」だが、どのようにしてその本質である熱気や活気、そして「幸せ」を発生させているのだろうか。

 

まずそれを大きく支えているのは、この「夕日の丘商店街」だけが持つ、他の類似施設には無い特徴だろう。それは、この商店街にはパフォーマーがいることだ。彼らは商店街の住人に扮し、まさに生きた昭和の商店街を作っている。これがこの商店街に熱気と活気を与えるための大きな仕掛けの一つだ。

 

この仕掛けはふと聞くと大したことではないように思えるが、テーマパークにおいて、これほどまでにその世界観に対する具体的なキャラクターを用意しているところは少ないのではないだろうか。

 

さらにテーマパークのショーで、「ショーが終わっても演者が帰らない」なんていうのは聞いたことがないのではないだろうか。しかし彼らは住人であり、たとえば「八百屋のたたき売り」のショーが終わっても、彼ら住人にとってそれはただの日常の一幕にすぎず、「事務所」などというところに帰る必要はないのだ。

 

つまり「夕日の丘商店街」で日々演者によって公演されているのは、一般的に「アトモスフィアショー」と呼ばれるミニショーなどではなく、「夕日の丘商店街のとある一日」という数時間に渡る巨大なショーだ。

 

そして演者によってこの昭和の世界へと干渉することになったゲストは、たちまち「夕日の丘商店街」の住人、あるいは買い物客になり、生きた商店街の熱気や活気を感じることになる。

 

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言い合いをする魚屋と八百屋

 私は、この「夕日の丘商店街」を「イマーシブシアター」と呼ばれるものの一種だと考えている。「イマーシブシアター」とは、「体験型劇場」を意味し、そこでは客席とステージの境目はハッキリせず、ゲスト自身が物語に干渉出来るモノのことを言う。

 

 「イマーシブシアター」の特徴を、日本で同様の公演を行う「泊まれる劇場」は以下のように述べている。

・決まった客席・ステージはなく、空間全体が舞台

・観客も物語の登場人物に

 ・観客の介入が物語を左右することも

     引用元:イマーシブシアターとは?|泊まれる演劇

 

まさに「夕日の丘商店街」の特徴だ。そして劇場だと捉えることで、私は自分の中にあった「夕日の丘商店街」に対する一つの疑問を解消することができた。それは、「夕日の丘商店街」に設置された照明やスピーカーについてである。

 

この「夕日の丘商店街」に設置された照明やスピーカーの数やバリエーションというのは、私のような素人が見てもただのテーマエリアに必要な数を超えていると感じていた。しかし、劇場と捉えるとどうだろうか。大小さまざまな照明、ウーハー完備の高音質スピーカー、劇場であれば全て必須だ。

 

結論として、「夕日の丘商店街」は全長100メートル以上に及ぶ巨大な「イマーシブシアター」であることが分かるだろう。

そしてゲストがこの巨大で、幸せばかりで包み込まれたシアターから退場し、住人や買い物客といった「役」を脱いだ時、「なんか幸せだった」と感じるのだ。

 

 これが、テーマパークのプロフェッショナルが資金的な制約がある中で作ったローカルパークだ。その「幸せ」を発生させる装置の設計に抜かりはない。

 

 なぜ西武園通貨は導入されたのか?

 

 さて、ではタイトルにもある、なぜ西武園通貨が導入されたのかという話をしよう。

まず一つ目の理由は、「夕日の丘商店街」が「イマーシブシアター」であるためだ。

 

イマーシブシアターは「決まった客席・ステージはなく、空間全体が舞台」と言われている通り、ゲストはシアター内の装置に触れて実際に食べたり、飲んだりと干渉することが出来る。そして、夕日の丘商店街も同様にイマーシブシアターだとみなせるというのは、前述した通りだ。

 

問題なのは夕日の丘商店街は「昭和」を舞台にしているということだ。

現代社会で暮らす我々が、入園ゲートからズカズカと「夕日の丘商店街」という「昭和」な舞台にあがり、「昭和」の商品や食べ物を買うために「現代」の日本銀行券をチラつかせてはショーも台無しだ。そこで西武園通貨というわけである。

 

現代から来た我々は、園内で現代の日本円から西武園通貨へと両替することで、日本銀行券をこのショーの小道具である「西武園通貨」へと交換してやっと「役」を完成させることができるのだ。

 

 なるほど、西武園通貨は単純な世界観維持のためという考え方以上に、ゲスト自身も演者になる「イマーシブシアター」であったことがその導入を後押ししたわけだ。

しかし、そんな理由”だけ”で導入するのかと疑問に思った方も多いのではないだろうか。実際に様々な方の意見を聞いていると、世界観の側面より金銭的な側面を理由に予想する人が多かった。

 

そして実際に多くの人が「金銭感覚をバグらせるための西武園通貨」と考え、お金を出すことに懐疑的になっている節がある。

しかしこれに「世界中から様々なゲストを迎えてきた元USJ社員」が気づかないはずがない。気づいた上で、それ以上に重要な意味を持たせているはずである。

 

それを裏付けるかのように、この西武園通貨は不正利用防止策の検討やその他必要な手順を踏み、運用までに一年という時間をかけた。

 

それほどまでに力を入れたのは、果たしてどんな理由、目的だろうと考えたとき、私は圧倒的なマイナス点を補うためではないかと考えた。つまり、西武園通貨がなければ、ゲストがパーク内でそれほどお金を落としてくれず、財務上問題が生じ運営が立ち行かなくなる可能性すらあるということを想定して導入したと考えたのだ。

 

そう考えたとき、西武園の圧倒的な欠点に気づかないはずがなかった。圧倒的に少なく、他のパークと比較して決して魅力的であるとは言えないアトラクションである。

 

西武園のライドアトラクションは「ゴジラ・ザ・ライド」を含め12機種。アトラクションとショーがあるテーマパーク型の園として最もチケット価格の近い「ひらかたパーク」と比較しても、アトラクション数は相当に少ないことがわかる。

 

アトラクションが少ないことによって起こる問題が、ゲストの短い滞在時間だ。

 

当たり前だがアトラクションや体験施設の数が多ければ、ゲストの滞在時間は長く、少なければゲストの滞在時間は短くなる。そしてもちろん、滞在時間によってゲストの飲食等に対する消費の活発さは大きく変動するはずである。

 

 

 

期待!新TDLハロウィーンイベントを考察する

 

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New!ハロウィーンイベントをコンセプトスケッチから考察する

 

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©Disney

 

新しい仲間を探しているゴーストたちがパークを飾り付けてディズニーの仲間たちやゲストの皆さんをパークへご招待!

 

“新しい仲間を探しているゴースト”や“パークを飾り付けて”という部分からは色々考えさせられますね。

 

コンセプトスケッチの第一印象としては、やはり文面にもあるゴースト。

 

久々のゴーストが主体なハロウィーンイベントになりそうです。

 

2010年~2012年に行われた「ウェルカム・トゥ・スプーキーヴィル」以来でしょうか。

 

ディズニー・ハロウィーン2012 ウェルカムトゥ・スプーキーヴィル TDL - YouTube

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©Disney

 

“パークを飾り付けて”との記載もあるので装飾も期待できそうです。

近年ハロウィーンの装飾は減りつつあるので、また過去のように様々な場所にゴーストがいるパークが帰ってくるかもしれません。

 

そして今回、もともとセレブレーションストリートに、ハロウィーンver.のプロジェクションマッピングが用意される予定というアナウンスがあるので、大いに期待できるイベントになりそうです。

 

 

パーク全体でハロウィーンを感じるイベント

 

最近、エンターテインメントつまりパレードやショーの他、フォトジェニックなモニュメントや体感型の装飾をパーク全体に用い、エンタメを見ずともイベントを体感できるつくりになりつつあることがよく言われています。

 

35thの新たな取り組みであるセレブレーションストリートのコンフェティやプロジェクションマッピングも体感できる装飾の一つですね。

 

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©Disney

 

今回のイベントもまさにそうなると言えましょう。

概要から読み取れる通り、装飾に力を入れることは明白だと思います。

 

ハピエストメモリーメーカーと連動する装飾も出てくるかもしれません。

 

ゴーストが装飾するということで、そういうサプライズ的要素の多いデコレーションが置かれるといいですね。

 

 

New!エンターテインメント予想

 

新しいハロウィーンパレードは、“新しい仲間を探しているゴースト”から想像できるように、ホーンテッドマンションがテーマの一部になることでしょう。

 

今年(2018年)、東京ディズニーランドは35thを迎えています。東京ディズニーランドの代表的なアトラクションである「イッツ・ア・スモールワールド」のリニューアルも皆さんの記憶に新しいことでしょう。

 

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©Disney

 

そして「イッツ・ア・スモールワールド」は、7月より始まる「Celebrate!TokyoDisneyland」のオオトリを飾るアトラクションとなっています。

 

ホーンテッドマンションも同じように「Celebrate!TokyoDisneyland」に登場するようですし、ヒッチハイクゴーストのグッズの販売も予定されています。

 

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 ©Disney

 

ホーンテッドマンションは、イッツ・ア・スモールワールドのように東京ディズニーランドの代表的アトラクションの一つと言えるでしょう。

 

代表的なアトラクションがスポットライトを浴びる35th。この35thより始まるエンターテイメントだからこそこのホーンテッドマンションはテーマとして入ってくるのではないでしょうか。

 

 

ホーンテッドマンションがテーマのエンターテインメントといえば「ハッピー・ホーンテッドパレード」なんかを思い出しますね。またゴーストテーマということもあり、一昔前のTDLのエンターテインメントのようなモノを期待してみたいものです。

 

 

 

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バックダーン、ガンガンバトラーズ レポート

2019年3月23日に東京ドームシティにオープンした新屋内コースター「バック!?ダーン!!」と映像シューティングゲーム「ガンガンバトラーズ」に行ってきました! スリル満点のライド体験をレポートします。 f:id:PinoDisney1923:20190324001824j:plain パニックコースター「バック!?ダーン!!」 f:id:PinoDisney1923:20190323231344j:plain オープン初日のバック!?ダーン!!は、午前中は空いていたようですが、午後になると悪天候にも関わらず50分待ちの大盛況となり大人気でした。 待ち列が進んでいくと、5番ゲートからいよいよ乗車です! f:id:PinoDisney1923:20190323233403j:plain 中からは楽しそうな声が既に聞こえてきて、興奮はさらに高まります。 f:id:PinoDisney1923:20190323233913j:plain さあいよいよ乗車です!黒いビークルに乗っていざ「バック!?ダーン!!」 爆弾を逃れるため急発進し、前向きに真っ暗闇を疾走します。予測できないコースを駆け巡りホームについたと思うと...、再び爆弾が!いよいよバックの開始です!前向き時とは異なる色鮮やかな世界を後ろ向きに疾走! 予測のできないコース展開と急発進、急バック。様々なサプライズがあった末、ホームに着くと、結果爆弾が爆発してしまい、乗客とホームはインクまみれに...。 前向き時と後ろ向き時の雰囲気も違い、終始ワクワクするまさに「パニックコースター」でした。 「バック!?ダーン!!」の前にはこのようなフォトスポットもあるので、コースターが苦手で「バック!?ダーン!!」に乗れない人もこれで写真を撮って乗った気になってみるのもいいのではないでしょうか? f:id:PinoDisney1923:20190323235600j:plain シューティングアトラクション「ガンガンバトラーズ」 f:id:PinoDisney1923:20190323235648j:plain ガンガンバトラーズも初日には50分ほどまで待ち時間が伸びる大盛況となっていました。 このアトラクションは、目の前に広がる巨大なスクリーンと揺れる椅子、そして風などの特殊効果を併せ持った新感覚シューティングアトラクションです! 時間別に分けられた4つのシューティングゲームのソフトを選ぶことが出来ます。 乗ってみると意外と動きが激しく、映像と特殊効果もよくリンクしていて、シューティングゲームが苦手な方でも十分にたのしめるアトラクションでした! f:id:PinoDisney1923:20190324001126j:plain 東京ドームシティにオープンした新アトラクションの二つを紹介しました!どちらも非常に楽しく、誰でも楽しめるものになっていたので皆さん是非たいけんしてみてください!

【レポートまとめ】ドームシティ新アトラクション!「バック!?ダーン!!」「ガンガンバトラーズ」

2019年3月23日にオープンしたパニックコースター「バック!?ダーン!!」4Dシューティングアトラクション「ガンガンバトラーズ」他。に乗ってきました!

 

 

新鮮なアトラクション体験でした。

夏の東京ディズニーランド【パークレポート】

7月13日。夏の東京ディズニーランドを満喫してきましたので、レポートまとめを上げようかと思います。

 

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Maihama_Origin

 

平日の金曜日ということもあり、それほど混雑しておらず、大型アトラクションも60分前後が平均待ち時間でした。

しかし、「Celebrate!TokyoDisneyland」の混雑は凄かったです...。

 

 

ワクワク感とともに舞浜へ向かう。

シーへ向かう人よりランド行く人の方が多かったかな...。

セレブレは本当に良かったです。二回目公演は一回目公演直後から5分ほどはプラザテラスかなり空いてます。最前はほぼ動かないかつかなり荒れますので取れませんが...。

35周年最高(*´ω`*)

流れてました。セレブレ×流れ星は本当に夜の奇跡。

 

ということで、アトラクションもこなしつつ「Celebrate!TDL」もしっかり楽しんできました。

一回目公演はプラザテラス中央よりの三列目だったのですが、8時40分スタートで5時半より待ったので、かなり待ちました。...が、その価値は十分にありました。

 

ーあとがき的な何かー

今回は縁あってツイッターで知り合った方々と初めてパークへ行ったのですが、途中分かれて行動したり、一緒にショーを待ったり...かなり独特な楽しみ方をすることが出来ました。

 

また、かなり詳しい方々でしたので、勉強になることも多く楽しかったです。

 

こんなインパークもいいな~と思った一日でした。

 

 

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「Celebrate!TokyoDisneyland」が切り開いたディズニーの映像技術の未来

 先日、いよいよ始まった新ナイトタイムスぺクタキュラー「Celebrate!TokyoDisneyland」を見てきました。

 

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 MAIHAMA_Origin撮影

 

自分自身、期待はとても大きかったのですが、その期待を優に超えてくるものになっていました。

 

従来、ディズニーのプロジェクションマッピングというのは、簡単に言ってしまえば、ディズニー映画の名シーンや総集編を映し出したようなものでした。

 

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©Disney

 

しかし、今回は「東京ディズニーランド」のアトラクションが主役です。

 

今まで見たことがない全く新しい映像が「東京ディズニーランド」のシンデレラ城に映し出される「東京ディズニーランド」のショーになっていました。

 

この「Celebrate!TokyoDisneyland」という全く新しいエンターテインメントは、今後のディズニーパークにおいての映像技術にどのような影響を与えるのでしょうか。

 

ディズニーが目指す映像技術の到達点とは?

 

ディズニーは映像技術について常に研究をしてきました。アニメーションからパークの技術に至るまで...。

 

今回軸に置く「プロジェクションマッピング」というのも、ディズニーが最初に使用しました。

 

そして今、ディズニーパークでは、エンターテインメントからショーに至るまで「3Dプロジェクションマッピング」を使っています。

ディズニーでは、この「3Dプロジェクションマッピング」の技術を「DynamicEnvironment」と呼ぶそうです。

 

「DynamicEnvironment」は、パークを作り上げるうえで使われるシミュレーションルーム「DISH」もその一例です。

 

ディズニーはこの「DynamicEnvironment」を使って完全なバーチャル空間を作り上げようとしているのです。

 

↓「DynamicEnvironment」を利用したバーチャル空間の一例

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 今もその技術は進化し続け、上海ディズニーランドの「パイレーツオブカリビアン・バトルフォーザサンケントレジャー」や、2019年オープン予定の「ミッキーとミニーのランナウェイレールウェイ」では「2.5D」と呼ばれる新技術が使われるなど、ディズニーの完全なバーチャル空間を作り上げるための研究は今も続いています。

 

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 ©Disney

 

「Celebrate!TokyoDisneyland」「DynamicEnvironment」

 

「Celebrate!TokyoDisneyland」というショーは、この「DynamicEnvironment」のエンターテインメントの面とアトラクションの面のハイブリットだと思っています。

 

アトラクションの迫力ある映像がシンデレラ城に映し出され、レーザーやサーチライト、噴水や電飾は連動し、その空間はまさにそのアトラクションと化します。

 

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 MAIHAMA_Origin撮影

 

今まで、ショーで「DyanamicEnvironment」を使用しても、それはショーであり、アトラクションのようなバーチャル空間にはなり得ませんでした。しかし、「Celebrate!TokyoDisneyland」は、迫力ある空間演出と進歩した映像技術により、バーチャル空間を生み出すのです。

 

35周年の夏。新たに一つの「アトラクション」が誕生したといっても過言ではありません。

 

今後の東京ディズニーリゾートの開発でも、これらの映像技術は多く使われるでしょう。ディズニーが生み出すバーチャル空間のこれからに期待です。

 

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【考察】新エリアの構造やアトラクションの内容を考える『魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界』

みなさんが待ちに待った東京ディズニーリゾートの“BRAND NEW DAY!”がいよいよやってきます!

 

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2018年6月14日。東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、記者会見を開き、東京ディズニーシーの大規模拡張プロジェクトを発表しました。

 

プレスリリースリンク↓

http://www.olc.co.jp/ja/news/news_olc/auto_20180613463843/main/0/link/20180614_01.pdf

 

 

というわけで今回は、この興奮冷めやらぬ中、早速、大規模拡張プロジェクトについて考えていこうと思います。

 

 

 

どこが拡張されるの?

拡張が予定されている場所は、前々から噂されていたリゾートパーキングですね。

 

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©Disney

 

 

約10ヘクタールの駐車場用地をパークの拡張用地にあてます。

また約4ヘクタールをパーク外の開発用地にあてます。

 

これは、NKホール後がちょうど4ヘクタールのようなので、そこがホテルやホテル内に含まれるレストランの利用者向けに立体駐車場としてくまれるのではと言われています。

 

また今回、東京ディズニーランドの再開発エリアに新たにトゥモローランドテラスが含まれたのもそうですが、Tラウンジというキャスト向けの食堂施設も新たに含まれました。

 

以前、バス停が移動し、美女と野獣を含む新エリア開発の囲いが拡張されたのが話題になりましたが、そこにTラウンジは移設され、きたる東京ディズニーランド拡張時の導線確保に備えるのではと考えています。

 

 

新エリア全体の構造は?

これに関しては、あくまでコンセプトアートから読み取ったものであり、あやふやな部分もあるのですが、マップを自作してみましたのでそれを載せます。

 

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 手前にパーク一体型の新ディズニーホテルがあり、配置は、全景コンセプトアートと同じになっています。

 

おそらく、この画像奥側が新エリアへの入り口となると考えています。ので、画像左側が東京ディズニーランドパーク側です。

 

新エリア内は、中央の大きな道から三つのエリアにつながっており、別コンテンツのエリアから、直接その他のコンテンツのエリアへは行けないような導線になっています。

 

新ホテル前が環状になっていて、人の流れを止めない構造になっていますね。

 

そしてやはり目立つのは、中央のピーターパンのエリアの入り江でしょうか。この入り江は、リリースで公開されなかったコンセプトアートに、アトラクションの入口と思われるところに向かって新たに橋が伸びていました。(ので既に画像とは異なる形になりそう)

 

ここは、東京ディズニーシーらしい冒険心をくすぐられるエリアになりそうです。

 

アナと雪の女王」のエリアは、アレンデール城とその城下町。そしてノースマウンテンで構成されています。

 

アレンデール城内にはレストランが出来る予定で、東京ディズニーリゾートとしては新しい、お城の中での食事が楽しめることになるので、非常に楽しみですね。

 

ラプンツェルエリアは、中規模と思われるボートライド。そして、かわいいアヒルの子をモチーフにしたレストランが出来るようですね。上海ディズニーランドのものと似たようなものになると考えています。

 

また、3つのエリアの中では、もっとも落ち着いた雰囲気のエリアになりそうで個人的には一番楽しみです。

 

アナ雪エリアはオリジナルなの?

 

 「アナと雪の女王」のエリアといえば、今後、香港そしてパリで展開される予定があります。

 

しかし、オリジナルを唄う以上焼き直しというわけではないようです。

 

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コンセプトアートを見ると分かりますが、雰囲気がパリや香港のそれとは大きく異なります。

 

アレンデール城や町から氷は消え、空は暖かく晴れており、そもそものコンセプトが全く違うことが分かりますね。

 

このエリアのためだけに新たなBGSも作られることでしょう。非常に楽しみです。

 

アナと雪の女王」のエリアには、ちょっぴりスリリングなボートライドのアトラクションが導入される予定です。

 

アトラクションの入口は、ノースマウンテンふもとに。出口は、アレンデール城脇の橋部分に出来ると考えています。

 

よって、アトラクションのスリリングな部分というのは、ノースマウンテンからアレンデール城へ山を下ってたどり着くまでだと思われます。

 

こちらも、エプコットに既にある「フローズンエバーアフター」とは全く違う、新しいものになると思います。

 

世界で唯一の「アナと雪の女王」のエリア非常に楽しみですね。

 

 

世界はピーターパンエリアを中心に回る

新エリアでは、ピーターパンが最も力を入れられており、『魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界』で一番の大型ボートライドと小規模なアトラクションを導入予定です。

 

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一番の大型ボートライドは、上海ディズニーランドで約500億円をかけて作られた「パイレーツオブカリビアン-バトルフォーザサンケントレジャー」と雰囲気は同じだと思われます。

 

しかし、これにしてもオリジナル要素を欠かそうとはしません。3D映像の導入です。

パイレーツオブカリビアン-バトルフォーザサンケントレジャー」のライド映像を見ていただくと分かるのですが、映像が多用されています。

 

 パイレーツオブカリビアン-バトルフォーザサンケントレジャー」のPOV↓

[4K] Immersive Pirates Ride at Shanghai Disneyland - Amazing Ride Technology - YouTube

 

ピーターパンのボートライドは、これに3Dが加わりますので、没入感はディズニーパークのアトラクションで最高レベルのものになると思います。

 

このアトラクションには、ディズニーファストパスが導入されるでしょう。

 

しかし、このアトラクション。ボートライドということもありめちゃくちゃに回転率がいいそうです。(システムが完全に上海カリブのものであれば)

 

クオリティも高い上に回転率もいいというのは本当に嬉しいですね。

 

 

ティンカーベルのアトラクションは、ピクシーホロゥをテーマに小規模なアトラクションができます。

 

ピクシーホロゥというと、マジックキングダムのニューファンタジーランド計画で予定されていたものがありますね。

 

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これほど大きなものにはならないにしろ、とても楽しみなアトラクションになりそうです。

 

またロストボーイズの隠れ家を再現したレストランも作られるようです。

 

こちらも非常に楽しみですね。

 

 

ディズニーシースピリットは捨てられたのか?

このプロジェクトが発表されたとき、やはりファンの間では戸惑いもあったようです。

 

というのも、新エリアは完全なファンタジーの世界をモチーフにし、本来東京ディズニーシーのもつ異世界的な現実の要素は何一つないと言ってもいいでしょう。

 

 しかし、時代の流れというのには逆らえません。今後、よりファミリー層の集客は強化していかねばなりませんし、高齢化が進む今、三世代により来てもらえるようにするのは必然でしょう。

 

そんな中で、東京ディズニーシーを最大限守ろうとして出たのがこのプロジェクトだったのだと思います。

 

テーマは「泉」であり「海」ではありません。この時点で、東京ディズニーシーのセブンシーズというコンセプトは守られたという見方もできるのです。

 

過去に、「第三パークと位置付けて開発を進める」というフレーズが話題になりましたね。

 

このプロジェクトは、まさにその通りだと言わせるようなものだと思います。ホテルの開発もありますし、それに伴う周辺施設の整備もあるでしょう。

 

まさに、「第三パーク」を作る気持ちで、ディズニー社やオリエンタルランドは、開発に挑んでいるのです。

 

 

 A differenrt  adventure BRAND NEW DAY!

全く新しい冒険の始まりを祝う「Happiest Celebration!」

 

 

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©Disney

 

その冒険の一つは「ソアリン(仮称)」による空への旅

 

また一つは、未来やあやしいお城、そしてのどかな村への旅

 

そしてまた一つは、『魔法の泉が導くディズニーファンタジーの世界』への旅。

 

東京ディズニーリゾートは、私たちにまだまだ新しい冒険をさせてくれることでしょう。

 

それは、はるか昔の銀河系の彼方への冒険かもしれませんし、インターネットや動物たちの住む世界かもしれない。

 

東京ディズニーリゾートは、新たな夢に向かって歩み始めたばかりなのです。

 

 

 

 

ps,

  • Joe Rohde氏が本プロジェクトに関わっていないとツイッターで表明
  • 自身のツイッターブログアカウントによるアンケート結果「ディズニーシー大規模拡張プロジェクトで一番楽しみなのは?」ピーターパン45%、ラプンツェル23%アナ雪17%、新ディズニーホテル15%(全150票)
  • ピクシーホロゥのライドがライド形式のものの可能性が浮上。水陸両用ライドか?

 

 

今後も本プロジェクトに関わる情報があり次第追記します。

 

 

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